記憶術/基礎結合法の実際のやり方

 記憶&クリエイト by Akira Takayama    記憶術と心理学が教える 賢い脳の使い方

                 第4章「基礎結合法とイメージ連結法」 B.基礎結合法の使い方
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B.基礎結合法の使い方 4.基礎結合法で順番を正確に覚える
5.実は国の順番だった…イメージ変換のテクニック
6.行事の基礎を使って


B.基礎結合法の使い方


4.基礎結合法で順番を正確に覚える

祖父 前回は基礎結合法で使う基礎表のところで終わってしまったが、今回はいよいよ実際の使い方だ。次のような単語を7つ用意したので、「曜日の基礎表」を使っていっしょにやってみよう。

例題8 次の単語を曜日の基礎表を使って順番に覚えてください。

  @パンダ  Aあめ玉  Bポテト  Cブラジャー  Dウォッカ  E富士山  Fソンブレロ

 7つくらいなら記憶術を使わなくても覚えられそうだけど、例によって、最初はやさしい問題から、っていうわけ?
祖父 そのとおり。それにたかが7個程度でも、完璧に覚えるにはけっこう時間がかかりそうだし、30分後には忘れてしまうかもしれん。まずは曜日の基礎表の7つのイメージと上の単語の組み合わせ表を覚に作ってもらおうか。
 お安いご用で(時代劇ファンの祖父の口調が感染している)。

  @太陽……パンダ
  A月………あめ玉
  Bたき火…ポテト
  C水道……ブラジャー
  D木………ウォッカ
  E金貨……富士山
  F土………ソンブレロ

祖父 よくできました。花マルってところだな。ここまでできればもう半分終わっているという感じだけど、これまでさんざんイメージ連結をやってきたおさらいをやってみよう。「太陽」に「パンダ」を結びつけるのは?
 「太陽がまぶしくて、パンダが目をこすっている」…ん? ちょっと弱いかな。
祖父 最初に浮かんだのなら、そのイメージをとおしたほうがよいだろう。「パンダが太陽に向かって一直線に空を飛んでいる」というのもあるが。
 次は月とあめ玉か。どちらも丸いな。「月が落ちてきてあめ玉になった」なんて、ボクらしくもなくロマンチックでいいと思わない?
祖父 さうたう(相当)な出来ばえじゃ。
 次は「たき火でポテトをたくさん焼いた」で決まりだね。それから、水道とブラジャーは…おじいちゃん、ちょっとボクには恥ずかしいよ。
祖父 そうかな。うれしそうな顔に見えるけど。では代わりにやってあげよう。「水道にブラジャーをぶら下げて水を流した」というのが自然なイメージだ。
 どこが自然か全然わかんないけど、ま、いいか。次は木とウォッカだね。「木の節穴にウォッカを飲ませた」
祖父 ついでに木が酔っ払ったイメージも付け加えると、リアリティが出るぞ。
 リアリティか。どっち道ありえないイメージなんだけど。でも、確かに木が酔っ払ったほうが、ウォッカらしくていいね。
 次の「金貨と富士山」は……ちょっと難しいぞ。
祖父 金貨を巨大化する。
 そうか。「富士山頂で大きな金貨が輝いている」でいいんだ。最後のソンブレロって、あの麦わら帽子みたいなやつ?
祖父 そう、メキシコの民族衣装に出てくる帽子だ。
 これはやさしいぞ。「ソンブレロに土を入れて運んだ」というのが自然なイメージだ。
祖父 イメージ連結はだいぶ慣れてきたようだな。それでは日曜から土曜までに連結した単語を順番に言ってごらん。
 えー、パンダ、あめ玉、焼きいも…じゃなくてポテト、ブラジャー、えーと、ウォッカ、富士山、ソンブレロ。
祖父 お見事!
覚 たったの7つだからね。ボクくらいのレベルになるとできて当たり前…。
祖父 記憶術を習っても、性格までは直らないようだな。

5.実は国の順番だった…イメージ変換のテクニック

 ところで、おじいちゃんに聞きたいんだけど、こんなでたらめな単語の組み合わせで記憶術を練習するよりも、役に立つことで覚えたほうがいいと思わない?
祖父 勉強に関係した役に立つことは、抽象的な単語が多いだろう。これは初めての基礎結合法だから、なるべく具象的な単語を使って、早く記憶術を身につけたほうがいいんだ。昔から「急がば回れ」っていうだろう。
 それに、この例題の単語には実は仕掛けがしてあって、まったく無意味な単語の羅列ではないんだよ。
 えっ? ボクには何のことか見当もつかないけど。
祖父 たとえば、さっきソンブレロのことを確認したろう。メキシコの帽子だって。つまりソンブレロはメキシコの「代名詞」のようなもの、イメージ変換法というテクニックを使ったわけだ。そんなわけで、パンダがどこの国の「代名詞」かもわかるね。
 中国に決まっている。そうか、じゃ、ウォッカはロシア、富士山は日本をイメージ変換したものってわけだね。でも、あめ玉ってどこだろう。
祖父 アメリカだ。
 急にダジャレを使われるとわかんないよ。アメリカのイメージって、ラップダンスでもいいんでしょ。
祖父 もちろん、ラップだろうがジャズやブルースだろうが、摩天楼だろうがかまわない。その人にとっていちばんアメリカらしいイメージを選べばいいんだ。それがすぐに思い浮かばないときは、ダジャレを使うってわけ。
 そうなんだ。じゃ、ブラジャーもダジャレっぽいから、ブラジルでしょ。残るはポテトか。ダジャレじゃなさそうだな。
祖父 ジャーマンポテト、つまりドイツだ。実はドイツの一般的イメージが意外に少ない。個人的にはJ・Sバッハとかアインシュタインがイメージだが、ソーセージ、ロマンチック街道、ベルリンの壁などを思い浮かべる人が多いかもしれないね。
 基礎結合法のレッスンなのに、思いがけない方向に行ってしまったね。
祖父 ついでに言っておくと、中国、アメリカ、ドイツ…という国の順番は、ビールの生産量の多い順(2002年)なんだ。中国というと紹興酒やマオタイ酒というイメージだが、この年初めてビール生産量が世界一になった。
 ビールといえばドイツだと思っていたけど…。
祖父 人口がべらぼうに多い国にはかなわないってことだな。

6.行事の基礎を使って

祖父 次にもうひとつ例題を出しておこう。「行事の基礎」を使って覚えられるように、12個の単語を用意した。

例題9 次の単語12個を行事の基礎表を使って順番に覚えてください。

  @家鴨(あひる)  A海豚(いるか)  B海亀(うみがめ)  Cエリマキトカゲ  Dオットセイ
  Eカンガルー  Fキリン  G熊  H毛虫  Iコアラ  J犀(さい)  K縞馬(しまうま)

 再掲〔基礎表〕 月の行事
1月  正月(門松) 7月  七夕
2月  節分(豆まき) 8月  夏休み(プール)
3月  ひな祭り 9月  敬老の日(老人)
4月  入学式(ランドセル) 10 10月  体育の日(運動会)
5月  こどもの日(こいのぼり) 11 11月  七五三(晴れ着)
6月  時の記念日(時計) 12 12月  クリスマス(ツリー・サンタ) 

祖父 最初の連結イメージだけ解答例を示すと、「門松」と「あひる」だから、 「あひるがヨチヨチしながら門松をひっくり返した」というあんばいになる。次は「豆まき」と「いるか」だね。12月までイメージ連結し終わったら、必ずイメージを順番に再現することが大切だ。
 動物の名前が並んでいるようだけど、順番に何か意味があるの?
祖父 頭文字があいうえお順になっていることに気がつかなかったかな。
 言われてみればそうだね。わざわざ難しい漢字を使ったのは、それを隠すためだったんでしょう。
祖父 バレたか。種を明かせば、あいうえお順で動物と決まっているから、わざわざ基礎結合法で覚えなくても、そのままで覚えやすくなっている。
 名づけて「あいうえいお動物園」。これを覚えておくと基礎表としても使えるが、動物はキャラクター化しやすいから、たとえばあひるは紀元前1世紀、イルカは紀元前2世紀というように決めておくと、歴史の世紀を覚えるのにも役立つんだ。
 2番目以降の模範解答はやらないの?
祖父 今回は省略としよう。全部イメージし終わったあと、イメージを再現してみて、よどみなく思い出されたら、それが正解ということになる。
 そんな…ちょっと大雑把すぎると思うけど。
祖父 記憶術は人の数だけ正解があるんだよ。頭の中身が全員違うからね。だから覚が記憶術をマスターしたら、それはサトル式記憶術ということになる。
 またまた、おだてるのがうまいんだから。

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